北からの寒流(千島海流)と南からの暖流(日本海流)が交ざり合う三陸沖。そこへ山々の養分を含む湧き水が注ぎ、滋養豊かな海をつくります。「おれ達の復興かき」が育つのはそんな美しく豊かな三陸のリアス式海岸。中でも牡鹿半島沿岸部とその周辺海域は、南三陸国定公園にもなっている恵まれた自然環境にあります。
生食用では、生産量日本一!
三陸産の牡蠣は、生食用としての生産量は全国で1位(2010年現在)。
ぷりっと大ぶり、締まりがよく、生食ではもちろん、加熱しても身の縮みが少ないのが特長です。種牡蠣の生産量も日本一で、石巻で生産された種牡蠣は全国各地へ送られています。
1.タネ牡蠣付け
牡蠣の養殖をしている地域に行くと何故かホタテの殻が沢山あります。
何に使うのかと聞いてみれば、これはとても大切な役割をしていました。
産卵の時期(7月〜8月にかけて)が近づくと毎日海水を調べ、
牡蠣が大量に産卵をしたタイミングに合わせてホタテの殻を海に沈め、
牡蠣のタネをつけるのです。ここからが牡蠣養殖のはじまりです。
タネ牡蠣付けのタイミングは年に3日くらいしかなく家族総出で真剣勝負!
ちゃんと定着してくれるかも心配のタネです。
左の写真のホタテの殻が繋がっている物を沈めて種付けします。
2.タネ牡蠣はちゃんと定着してくれたかな?
牡蠣の産卵期は夏ということもあり難しい季節でもあります。
水温が少し上がったり、雨が少なく酸欠状態になって栄養分がちゃんと行き届かない、
あるいは台風によって落ちてしまうこともあって心配のタネはつきません。
出来る事は状態を見極め牡蠣筏を動かすこと、あとは祈るばかりです。
それが自然の恵みに任せる牡蠣養殖の難しいところ。
ここから2年かけて美味しい三陸の牡蠣に育ちます。
左の写真の小さいつぶつぶが牡蠣の赤ちゃんです。
3.季節が過ぎて1年経つと種付けの準備です。
1年経つとだいぶ牡蠣らしくなってきますが、まだまだ小さな子どもです。
このくらいに育ったら種付けの作業をします。
まずは育ったタネ牡蠣(ホタテの殻に牡蠣がついた物)を陸に上げて日干しにして海藻などを除去します。
牡蠣は強いので2、3日は海から上げても大丈夫なんですよ。
牡蠣も育ち海水も含んでいるため、その重さはひとつ20kg以上!海から引き上げる作業は大変な重労働なのです。
左の写真、モチロン機械も使いますが作業の大半は人の力なのです。
4.いよいよ種付け作業がはじまります。
種付けとは牡蠣が付いたホタテの束を外して一つずつロープに付けていく作業です。
10mのロープに35個位を付けていきます。
1本のロープにつける数や、タネ牡蠣をつけていく間隔で牡蠣の大きさが変わるそうです。
ここは長年のカンと経験で企業秘密。
左の写真、こんな風にタネ牡蠣を付けて1年もの間、美味しく育てと海に委ねます。
5.こんなに立派に育ちました。
タネ牡蠣付けをして2年間すくすくと育ちました。
後は収穫の時期を待つばかりですが、まだまだ安心はできないんです。
大きく育った分ちょっとしたことでロープから外れやすくもなってるんですね。上から落ちた牡蠣が下の牡蠣に当たって落ちてしまうこともあるんです。
この時期の台風は特に怖い存在です。
この後も収穫を待つまでにまだまだ育つんですよ。
左の写真、これが牡蠣のかたまりだということが分かりますか?
顔の大きさと比べてみてください。
6.ついに収穫!
みなさんが楽しみに待っている牡蠣の季節になりました。
いよいよ収穫です。
船に引き上げ牡蠣をバラして海藻やいらない貝を取り除き大きさの選別をします。
小さいものは除いて美味しそうなものだけを出荷です。
丹誠込めてつくった牡蠣を食卓にお届けできることを楽しみにしています。
左の写真、立派な牡蠣になりました、美味しそうでしょう。